2020年、BL漫画、のちハイキュー

初めまして。なっちと申します。絵描いてます。

ぽっぽアドベント16日目、参加させていただきます。

adventar.org

 

2020年色んなことが変わりました。

いいこと。

今年初めて連載のコラムに絵を提供するというお仕事を頂きました。やった~!

グループ展に参加できました。ありがとう!

 

悲しいこと。

コロナ禍によりロンドンで予約していたティモシー・シャラメの舞台が延期になったこと。

2020年後半は、コロナ禍によって来年4月からの派遣切りが決まり、就活しなきゃならなくなったこと、ケガが続いたりしたこと。かなし。

 

今までは家に居りゃソファから岩のように動かず配信を見続け、Netflixに「まだ見てますか?」と問われるほどストイックに向き合ってきたビンジアスリートであったが、締め切りを意識して制作をするようになり、ビンジ活動の代わりに隙間隙間で沢山漫画を読みました。特にBLを。

悲しみの果てに、さらに加速度的にBLを読み、飽き足らずアニメや漫画を積極的に摂取しました。

 

ということでこのエントリではジャンジャンバリバリBLを読んで良かった作品の感想を書きたいと思いますが、慎重に読んだ理由も少し書いています。タイトルから飛んで好きな部分だけ読んで下さればと思います。

また11月上旬にハイキューにハマって1ヶ月程度で45巻・連載8年すなわちほぼ人生みたいな時間を喰らい尽くし月夜に咆哮した話も後半書きたいと思います。

 

はじめに

白泉社キッズであった私は、まあまあ昔からBLを読んできたが、そこまで熱心な読者であり続けた訳ではなかった。名作と呼ばれる作品もあまり読んでいないかも知れない。

 

個人的なBL心得

あくまで以下は私の読み方であり、誰もが自由に読んでいいと思うことはもちろん大前提であるけれども、ただ、もう2021年になるのだし、私もBLに関して倫理感ガバガバでよいお年頃でもないと思い悩んだ。

私は今のところ女として生きた時間が多い人間なので、女性が性的に消費されることに対してはある程度警戒心が働くが、男性が主人公の場合、この表現、もし女子だった場合はどうだろう?と反転して考える視点も忘れてはいけないと思っていて、絵のデッサン狂いをトレース台で反転してチェックするような感じで考えている。

差別的言動、性暴力、関係性のパワーバランスの傾きが容認されていてほしくない。性的同意が得られていてほしい。もしこういった内容が描かれるのであれば、最低限悪いこととして描かれていると、読んでいても納得できる。

ゾーニング

とはいえ、本エントリでは直接的な性描写がほぼないものをリストアップした。

性描写が含まれる作品についてのレビューは別記事としてUPした。

 

 

大人の人はこちらに↓

 

 

 

natsuki178.hatenablog.com

 

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私は物語を喰らう残酷な消費者の一人であることは間違いないが、また物語に救われなければ生きられない人間でもある。私はほとんど物語というものに共感を求めていない。私は遠くへ連れて行ってほしい。私は自分が生きられなかった時間や想像すらしなかった世界に連れて行ってほしい。

あくまで私の基準でしかないので、ここはスルーかよ???という部分もあると思う。

大人として、読み手として、消費者として、BLに限らず物語を受け取る上で自分の未熟な倫理観から来る矛盾や葛藤や罪悪感などを覚えることはあるけれど自問し続けて、勉強していく以外ないのかなと思う。

 

ではレビューまいります!

 

 

ワンルームエンジェル

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どん底の生活を送る冴えない男の元に少年の姿をした天使が現れ、同居することになり、死んだように生きていた生活が色づき始める。

近年のBL作品の中でも珠玉の傑作である、間違いない。

BLというジャンルに収まらないとよく評されるが、読了後どうかなってしまうかというくらい涙が止まらなかった。はらだ先生は痛みから目を逸らさずに真正面から描き、一方で凡人には及びもつかないギャグセンスを持つ天才だが、ワンルームエンジェルは本当に優しい作品だ。この作品に出会えたことを考えると私の足の指の骨ヒビ入ったことは等価交換だったんだ。

ネタバレしたくないので、これ以上書けない。お願いだから全人類読んでください。読んだら連絡下さい。体育館借りとくから、倉庫前集合。一緒に泣こう。

 

 

マイオンリードギー


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犬BLである。新しい!が、わんわんBL物語なのではなくて、人間にも犬にもなれる人狼と人間のBLだ。変わった設定だが、お互いの気持ちを丁寧に確認していき、犬と人間の付き合い方も考えさせてくれる優しいBLであり、エロいところはほとんどなく心穏やかに読めるが、犬から人間に変身するところで、あら!というところがあってニッコリしてしまった。

echo先生の描く人物はとても可愛らしく、同僚たちの造形が素晴らしいのだ。人間の時の造形が犬種(猫もいる)とぴったり合っていながらどれも自然で、なんという画力!と奥歯を食いしばった。

犬愛に溢れていて、BL愛にも溢れていて、私にこれ以上ぴったりな漫画はないだろう。このように自由で愛らしいBL漫画が生まれたBL界の風土にも感謝である。お心当たりの方、是非ご一読ください。健康になれます。同じ世界観で先に刊行されている マイ リトル ドギー も同じく最高である。しかし本当に両作とも人狼の大山さんと茶太郎くんのルックス描写が素晴らしい。イタグレも描いてほしい~。

(マイ オンリー ドギー にはマイ リトル ドギーの続き短編が収録されている。)

 

 

 

鯛代くん、君ってやつは

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高校時代で時が止まらなくて良かった。かわいい蛯原先輩に出会えてよかったね鯛代くん。ちょっと顔がホラーぽくて陰キャの鯛代くんと鯛代くんが惚れているめちゃかわいくて世話焼き体質の蛯原先輩がひとの漫研(字書きでも絵描きでもない2人)で大騒ぎするPBL(ピュアなBL)である。

オタクサークルの描写が「わかり」で楽しく、おうちで鑑賞会やらオタク合宿やらイベントに必然のコスプレやら、次々楽しい行事とともに♡ポイントが激増して、まったくゲームやらない自分も(もしかしたら恋愛ゲームってこういう感じなのか…おもしれーヤツ)みたいな思考も芽生えるくらいである。

あと、当て馬がすごく良いし、オタサーのみんなもとても良いし、絵がとにかく上手くてすごいかわいいので満足度がすごい。かわいいが無限に出てくる。

2巻が来年出る。生きる。

https://www.amazon.co.jp/dp/4799742841/ref=cm_sw_r_tw_dp_x_5DGYFb7M2W9EW

 

 

 

500年の営み


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恋人を亡くし自殺未遂をはかった寅雄は250年の冷凍睡眠の後、目覚める。そこに亡き恋人と姿かたちがそっくりなアンドロイド・ヒカル=Bが居た。できそこないのヒカル=Bと生前の光との違いを許せず素直に愛せない寅、5世紀の時をかける壮大なリリカルSFBLの傑作である。

この世には好きにならざるを得ないプロットというものを皆心に抱えて生きているだろう。わかるぜ。私の場合はアンドロイドと心を通わせる話だ。(PLUTOの中では特にノース2号の話。心がむちゃくちゃになる。)

ヒカル=Bはできそこないという設定なのだが、それゆえに手間がかかり、「人間らしい」交流が生まれる。矛盾を愛する人間とはどういう存在なのか。何度も絶望し希望を持ち、立ち上がり、めぐり合う。火の鳥の祝福を受けた物語である。

 

 

春と夏となっちゃんと秋と冬と僕 

 

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OBL(幼馴染BL)である。 散文調というか、具体的にこれといった太いストーリーが何かあるわけではなく田舎に住む幼馴染(この設定大好きか)のシマとナツオが恋人同士で、彼らの日常を切り取り、季節が進んでいく。(少しだけドキっとするシーンがある。)1~2ページで出来事を綴っているだけなのにこんなに心臓苦しくなる?というくらい直球でぶち込まれる。シマとナツオがお互い大好きを隠さずに毎日一緒にいて、他愛のない出来事を共有している瞬間の積み重ねが眩し過ぎて、これ日めくりBL?天才?発明?

恐らく自分がこの高校生BLとかOBLが好きな理由は、カミングオブエイジというか、ライフステージの否応ない変化に覚えのある絶望を感じることと、ストーリーのギミックとしての高い効果に惹きつけられるからだと思う。

何にも負けないような気がしているけれど、時間は間違いなく過ぎていて、きっとこのままじゃ居られないけど、もっと二人は素晴らしくなるかもしれないし、もしかしたら悲しい未来があるかも知れない。そういうキラキラした痛みも逃さない描写の細かさは佐岸左岸先生の画力によるところが大きいと思う。これデビューコミックスて!!!

オールドファッションカップケーキ もすごく好きです。

 

 

 

木々は春

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ゲイなのかどうか迷っている大学生由木くんと、つらい過去のある研究員木庭さん、二人とも人と向き合うのは上手じゃないけど少しずつ距離が近づいていって明るい方向に進んでいく。

ジャケ買いした。だってQ*1でしょ木庭さん。買わずにおられない。中陸なか先生の描く男性の造形が本当に好みでお洋服もとてもおしゃれで可愛らしいのも見ていて楽しい。

人間関係を維持するときのぎこちなさや、目の前にいる人は放っておけないことあるよなあと思わされたり、かなりリアルで心理描写が真摯だと思う。読後感が爽やか。ミモザを男子が持つのとっても良いですね。

  前日譚が「たゆたう種子」で、その後がこの「木々は春」。

 

カラオケ行こ!

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もうあらすじは良いですよね。綾野剛すら衝動がアレしているそうなので。

狂児と聡実、BがLする3年前の物語。はじまりの神話である。

いや~一生Lしなくても、たまにライフステージの変わり目に現れてはほのかに「なんだこの気持ち」を掻きたてて消えていくのもいとをかしなどと思っていたら

 狂児と聡実のこの2ショット、婚礼写真か。

これは祝言あげたちゅうこっちゃ… 

 

 

さてと…

2020年11月某日、突然

ハイキュー!!にハマった

 

故郷のマブダチにおすすめされて軽い気持ちで見始めたが、見事ドハマりしてハイキューのことしか考えられなくなった。

ネタバレが過ぎるのと日向と影山の関係を語りた過ぎて長大になってしまったので別エントリにネタバレを含む内容をぶつけました。以下は上記エントリの要約にします。

 

natsuki178.hatenablog.com

 

 

ハイキューは言わずと知れた週刊少年ジャンプの大人気作で連載8年半、2020年11月に最終巻が出て完結したバレーボール漫画である。

あらすじ

主人公・日向翔陽は小学生の時に「小さな巨人」の試合を見てバレーを志すも、中学にはチームが無く、1度しか試合に出れなかった。最初で最後の試合は当然ボロ負けだが、相手チームのセッターにお前は何をやっていたんだ、と言われてショックを受ける。しかし、あの小さな巨人がいた高校に進学し、待望のバレー部の門を叩く。しかし同じく入部希望に来た同級生は中学でボロ負けした相手チームのセッター影山飛雄だった。日向はバレーはド下手だが、類まれなる運動神経の持ち主であり、王様という異名をもつ天才セッター影山となんやかんや喧嘩しながらもコンビを組んでいく、という青春バレーボール物語である。

 

日向と影山はバレーボールを通じて自分を高め、相手を高め、自分を追いつめ、相手を追い詰め、誰よりも相手を信じ、誰よりも相手を求めているのである。この感情はとてつもなく高エネルギーではあるが、何色でもない。誰よりも相手を見ているが、相手を気遣うようなことはあまりない。相手に対してこんなに尊大で居られるのもそれは関係の強固さの証明に他ならない。

影山が日向の調子を伺うときにどう言っていいかわからず「オイ!元気ですか!!」と頭とっ散らかったまま尋ねるコマを目にした時、このコマを毎晩クラシック音楽を聴かせ毎朝水をやって育てた甲斐があったという偽の記憶まで出現したほどです。

 

日向はかなりコミュニケーション能力が高く割と好かれる性格の良い子だが、影山はもともと口下手で性格に難がある。王様の異名も実は独裁者のような態度を揶揄して付けられたのである。しかし、その影山はド下手といいながら毎日日向と対人パスをする。天才なのに。(しかし1年生4人で残りの二人は絶対に離れがたい月島と山口[ここ付き合ってますか?]なので日向影山ペアは不可抗力とも言える。)

 

ところで、この話は10時間くらいぶっ通しで話せるくらい好きポイントなのだが、日向と影山、あんなに仲悪いのに合宿などではおふとん隣同士、バスも隣の席、結局高校時代はいつも一緒なのだが、初詣に日向が誘ったら「行かない」とだけ返事をする。

 

影山は日向の打点を上げるために、(勿論自分がセッターとして最高の攻撃を生み出すことを考えているとはいえ)スパイカーである日向がどうやったら最高の状態で打てるかを常に考えている。日向のほうが人懐こくて話しかけるのはほぼ日向の方からだが、影山の方が日向のことを考えているのだと思う。神よ。こんなことってありますか?

こういう関係性の展開が各所にある。対戦校で主だったキャラクターは大体セッターとスパイカーである。セッターとスパイカーってこんなはちゃめちゃに強火の関係だったっけ?私は野球のこと全然わからないけどもしかして野球も投手と捕手の間に強火展開ありありなのですか?

さて、私がハイキューでとても好きなところは何もセッターとスパイカーの関係性がありがたいからだけではない。(いや正直ありがたすぎて各校ごとに1エントリ書けるし正直孤爪研磨のだけで論文書けるけど)

 

日向はきわめて泥くさい努力を怠らない。共感性羞恥とも近いような、胸がつぶれるような情けなさから逃げない。無力で、無知であることを、圧倒的に力の差のある人から突き付けられる。それでも日向は、絶対に下を向かないし、いじけたりしない。このいじけないっていうの実はものすごく難しいことでしょう。

 

私はこの泥臭くて、みっともない様子すらしっかり描くところがもはや児童文学のような滋味に満ちていると思う。

 

 

毎日少しずつ読み進め、私はついに最終巻にたどり着いた。

私は心臓を叩いた。深夜に咆哮した。両目からマグマのように涙が流れた。

 

信じているんじゃなくて、お前はそこにいるとただ知っている。

つまりこれはクラウドアトラス。

 

なるほどわからんでしょう。ネタバレOKであれば上記別エントリご覧ください。

 

出てくる高校ごとに色々と言いたいことはあり、大変人気の作品なので二次創作も豊富でありがたい次第である。

私はカップリングセンスが欠落しているので、描かれている通りセッターとスパイカーがニコイチで合掌なのだけど、各校のセッターがどの選手もすごく魅力的で引き出し!!!多い!!!と書き初めしたいと思う。

 

筋金入りのゲーマーで、ゲームセンスに優れた孤爪研磨のことが大好きなので、それはまた追々論文にまとめたい。

 

終わりの挨拶

好きなことをひたすらダラダラと書き綴ってすっかり長くなり恐ろしく申し訳ない気持ちです。

とはいっても、すべて有名で売れ売れの作品ばかりなので(R-18版のタイトルも含めて)特に発掘といったわけでもなく知ってる知ってるの嵐だと思う。BL研究1年生であります。

 

 

今年後半は、BLカテゴリではない漫画やアニメもたくさん嗜んでおり、(オタク界隈のネタが)読める、読めるぞ!!であります。

 

本当はね漫画夜話をやりたいのですよ。コマごとにこの表情とか目線とかモブまで語りたいですね。

 

来年はGL開拓も含めてたくさん読みたいと思うので、そのために金を稼ぐ必要があり、仕事を探したり、絵の仕事も増やせるよう頑張りたいと思う。

長年の憧れであるグリーンランドにも行きたい。何かも欲張っていきたい。

  

明日12/17はトモイさん、たっくまさん、まっくるGさん です。たのしみですね!

  

長々とありがとうございました。

みなさま、共に健康でまた1年過ごしましょう。

 

*1:ダニエルクレイグ版007に登場するクォーターマスター。ハイスペックなITスキルを持つ武器係という設定だが焦るとケーブルを引っこ抜くという荒業も駆使する。ベン・ウィショーが演じており、眼鏡のベン・ウィショーの可愛らしさに世界がひれ伏す。猫を飼っている。寝るときはパジャマで朝アールグレイを飲む。猫費用を募金したいという声が世界中から寄せられている。